RARE COLLECTION

1999年10月1日にリリースされた
「ジャコ・パストリアス/レア・コレクション」は、
ジャコがサイドマンとして参加した曲を1枚にまとめたもので、
とても好評であった。

本CDは、2001年12月1日のジャコの生誕50年を
記念するものとして、
上記に、曲順を変え、新たな曲を加えてリニューアル
されたもので、貴重なものである。

ジャコが個人名義で発表したのは、LP2枚のみであったが、
1970年代から80年代初頭に、多様なミュージシャンの作品に、
サイドマンとして加わっていた。

現在は、入手困難な作品も多く、ファンにとってありがたい企画で、
絶頂期にあったジャコの魅力が、十分に感じられる。

I CAN DIG IT BABY / LITTLE BEAVER

ジャコのプロとしての初レコーディング。
マイアミのR&Bシンガーであるリトル・ビーヴァーの初リーダーアルバム
からの1曲。

ジャコの名前のクレジットも、「Jocko Padron」となっている。
1974年のレコーディングで、ジャコは22歳のころ。

BLUES BALLAD / FLORA PURIM

名門バンドのリターン・トゥ・フォーエヴァーで活躍したフローラ・プリムが
1978年にリリースしたヒット・アルバム「エヴリデイ・エヴリナイト」
からのバラード・ナンバー。

参加メンバーは、フローラ・プリム(vo)、ジャコ・パストリアス(b)、
デヴィット・サンボーン(sax)、ハービー・ハンコック(p)、
ミッシェル・コロンビエ(Fender Rhodes)、リー・リトナー(g)、
ハービー・メイソン(ds)、アイアート・モレイラ(per)という、豪華メンバー。

SPIRAL / BOB MINTER

1981年12月1日、ジャコが30歳の誕生日にバースデイに結成した
ビック・バンド「ワード・オブ・マウス」のミュージカル・ディレクター
ボブ・ミンツァーのアルバムからの1曲。

ジャコとボブは、モントリオール・ジャズ・フェスティバルでも共演している。
サックスとベースのユニゾンが素晴らしい。
トム・バーニーをリズムベースに、ジャコがメロディーベースという組み合わせで、
面白い。

I TRIED IT ALL / COCKRELL&SANTOS 

サンフランシスコの人気ロックグループのベーシスト&ヴォーカルである、
バッド・コックレル。
そして、イッツ・ア・ビューティフル・デイの紅一点ヴォーカリストである、
パティ・サントスを中心としたグループ、コックレル&サントスのナンバー。

1978年にデビューしたグループである。
ジャコはベーシストのバッドに敬意を表し、ギターを弾いている。
ジャコがギターをプレイした唯一の音源である。

ZORE MORES / ALBERT MANGELSDORFF

ドイツのジャズ・トロンボーン奏者であるアルバート・マンゲルスドルフが、
1976年11月6日、ベルリン・ジャズ・フェスティバルに出演した時のライブ。

アル・ムザーン(元々ウェザー・リポート)とのトリオによる演奏である。
3人のインプロビザーションが素晴らしい。

DREAMLAND / MICHEL COLOMBIER

映画音楽でも活躍するミッシェル・コロンビエが、1979年にリリースした
アルバムからの1曲で、美しいバラード。

ラリー・カールトン(g)、スティーヴ・ガッド(ds)のほか、
ロンドン・シンフォニー・オーケストラをフィーチャーしたレコーディング。
冒頭から、ジャコの独特のベースソロが聴ける。

NATIVITY / AIRTO MOREIRA

元々、ウェザー・リポートのパーカッション奏者であるアイアート・モレイラ。
この曲では、ジャコは作曲者の1人として参加。
独特のハーモニクス・プレイで、ミステリアスな面を表現している。

I DON‘T KNOW / BOB MINTZER

ボブ・ミンツァーのアルバム「ソース」からの曲。
「ワード・オブ・マウス」のツアーで、一緒にプレイした仲間。
ボブは、この曲で、サックスだけでなく、クラリネット、ピッコロなども演奏している。

MOOD SWING / MIKE STERN

マイク・スターンとは、一時、ニューヨークで同居していたこともある仲。
ジャコが亡くなる数年前は、マイク・スターン、ハイラム・ブロック、ビレリ・ラグレーン
という3人のギタリストと、よく共演していた。
ジャコが亡くなる1年前にレコーディングされている。

THE ONE THING / MANOLO BADRENA

ウェザー・リポートのパーカッション奏者であったバドレーナの
初ソロアルバムからの1曲。
強烈なパーカッションのリズムにのって、ジャコのベースが躍動する。

BIRD SONG / MICHEL COLOMBIER

ミッシェル・コロンビエの美しいバラード。
マイケル・ブレッカーのサックスが素晴らしい。

ジャコのベースも、暖かみのある独特な音で答えている。

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